カンファレンスの重要性

患者を治療する以外にも、様々な業務を医療職は担っていますが、中でも重要なものの一つにカンファレンスがあります。これは、医療サービスを提供している医師をはじめとしたスタッフが一堂に会して、情報を共有したり、ある事案について話し合ったりするために実施される会議のことを言います。

かつては、医療といえば医師の判断を重視して患者と向き合うことが一般的でしたが、そのような状況は徐々に変化してきており、基本的には医療現場にいる全スタッフが力を合わせて患者を治療するようになってきています。そのため、カンファレンスに力を入れているところは、より信頼のおける医療機関であるといっても過言ではありません。

カンファレンスの具体的な進め方は医療機関によって異なりますが、一般的には対象となる患者を特定したうえで、その患者の病状や治療方法について、医師や看護師、薬剤師などの各スタッフがそれぞれの見解を述べ合う進行の仕方が多いようです。ときにはスタッフ間で意見が対立すると、長時間に及んで激論が交わされることもありますが、患者の早期回復をサポートするという目的を全員が持っているため、最終的には何らかの結論が導かれることがほとんどです。

このように、全スタッフが納得したうえで一丸となって治療にあたることは、スタッフの意欲にもつながりますし、病気で苦しんでいる患者の回復をスムーズにサポートするうえで、大きく影響すると言われています。

現場によって異なるカンファレンスが持つ意味

カンファレンスとは、「会議」や「協議会」などの意味を持つ単語です。ビジネスにおいては、「重要事項を決定する会議」の意味で使われる場合がほとんどですが、医療や介護の現場では異なった意味を持ちます。

医療の現場では、「会議」という言葉に馴染みがないため、医師や看護師が患者の治療方針などを話し合う場、医師が患者の家族に診断結果を伝える場など、話し合うメンバーを問わず協議する場面をカンファレンスと呼ぶ傾向にあります。ビジネスにおける会議室も、病院ではカンファレンスルームと呼びます。

また、カンファレンスの前に特定の単語をつけることにより、どのような内容で誰が参加しているのかを区別する場合もあります。例えば、医師が手術方針を決める場は術前カンファレンス、手術後の経過や回復具合を確認する場は術後カンファレンス、医師や看護師、医療関連職種が病院の今後の見通しなどを話し合う場を院内カンファレンスと呼ぶことも少なくありません。カンファレンスの名称は病院によって異なるため、転職後は注意が必要です。

それから、介護の現場におけるカンファレンスは、要介護者の状態を共有し、適切なケアプランを作成したり、問題点がないかを話し合ったりする場を指します。介護の現場のカンファレンスには、担当主治医と介護支援専門員、サービス事業者に加え、必要に応じて要介護者とその家族が同席する場合もあるようです。カンファレンスの頻度は、月に一回や半年に一回と目的により異なります。※参考サイト:医療・福祉カンファレンス基本の「き」